院長コラムhead doctor’s blog
答えのない問題23.8.27
先日、定期的に参加している医師だけの勉強会のテーマが「透析中止」でした。
透析には一時的に行う透析と半永久的に行う維持透析があります。 維持透析は腎機能が回復することがない人に行うので、透析病院への週3回の通院を一生行います。
しかし透析開始して数十年経って高齢となった際に、認知症で透析用の管(シャント)を抜くとか、心臓が弱って血圧低下に耐えられないなどという問題が発生します。 そういった場合に透析を継続するのは極めて困難となりますが、透析を辞めてしまうと数日~1週間程度で確実に亡くなりますので、簡単に辞めましょうという訳にもいきません。
本人も家族も担当する医療スタッフも極めて重大な選択を迫られることになります。 先日の勉強会はこういったケースに医師としてどう臨むか、どのような倫理的問題があるかを議論しました。
私のクリニックでは年に1~2件の頻度で透析中止後の看取りも含めた在宅医療についての相談があります。そのほとんどが透析病院のスタッフからの相談ですが、実際に在宅医療を担当したのは2名で、その2名とも数日でお看取りとなりました。(それ以外の方は透析病院に入院して透析中止→お看取りとなっています)
在宅医療はありとあらゆる状況があり、私も考えさせられたり悩みながら訪問しています。今後も透析中止後の在宅医療を担当する機会は続くでしょう。
そしてまた新たな仕事が入ってきました。社会的弱者/障碍者の専門施設から看取りも含めた訪問診療の依頼です。先日施設の責任者の方と面談しましたが、施設特有のお作法があったり私のような施設と関係のない医師が施設内に入るのは全く初めてとのこと。今まで関わってこられた医師が高齢で引退されることになったそうです。私としても未経験の領域ですが、社会的意義のある仕事と捉えてお引き受けしたので、新たな経験/挑戦となりそうです。来月から担当しますが、折を見てご報告させて頂きます。
最近、ごく短時間の雷を伴った猛烈な雨が多いですね。 移動中に見た光景ですが、肉眼では写真以上にインパクトがありました。日本も平均気温が上昇し続けているので、こういった光景を見ることが今後も増えるでしょうね。