たぶせ在宅クリニック 和歌山市の訪問診療

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院長コラムhead doctor’s blog

急変時の希望 情報提供シートの完成23.11.16

在宅医療

昨夜はオンラインで高齢者の急変時対応に関する勉強会に参加しました。

急変時、特に心肺停止という一刻を争う状態となった場合に、心肺蘇生を希望するかどうかは本人には聞けません。ご家族が傍にいるとも限りませんし、仮にご家族が傍にいたとしてもすぐに結論が出せるとも限りませんし、ご家族内で意見が割れることもあり得ます。

勉強会では消防局の方がお話しになりましたが、今和歌山市では人口は減っているのに、救急搬送の数は増えていて、特に高齢者(65歳以上)の搬送が増え続けています。その中で最も対応に難渋するのが、高齢者の心肺停止で心肺蘇生を希望するかどうかの確認です。

心肺蘇生を希望するという方には、高度な訓練を経て十分な経験をお持ちの救急隊員の方々は最善を尽くして病院まで搬送してくれます。しかし、心肺蘇生の希望が不明な場合も多いのが現実です。独居の方、施設入所の方、急変に動揺するご家族や施設スタッフはその場で結論を出すことが極めて難しいです。

そこで全国各地で事前の意思表示を書面に示す取り組みがなされていて、和歌山市でも「情報提供シート」という書類が完成しました。

高齢者の急変時の対応のテーマを取り上げると、「高齢者は延命治療をせずに早く死ねということか」「高齢者は救急車を呼ぶなということか」などと主張される方が必ず出てきます。全くそうではなくて、延命治療希望の意思表示をしっかりと示しましょうというだけの話しです。

このシートを記載するには勇気がいる人もいるでしょうし、シートの意義は分かっていても記載することに躊躇う人もいるでしょう。すぐに記載できなくても、ご自分やご家族とこのテーマを考える事だけでも始めてみても良いのではないでしょうか。

在宅医療・介護関連施設における「情報提供シート」の活用について|和歌山市 (city.wakayama.wakayama.jp)

                                                      

湿っぽい内容だったので、私が最近ハマっている動画を紹介します。

HAUSER – Rebel With a Cello – Live in Budapest (Full Concert) – YouTube

演奏だけでなく映像や照明まで完璧に考え抜かれた素晴らしい音楽ショーです。

晩秋の夜長にどうぞ。