たぶせ在宅クリニック 和歌山市の訪問診療

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院長コラムhead doctor’s blog

長男の一言19.12.22

在宅医療

先日、30代の女性をお看取り致しました。

プライベートな事もあるので詳しくは書けませんが、本当に頑張って頑張って、必死に生きておられました。

ご主人と2人の息子さん、ご自身のお母さん、多くのママ友や職場仲間、病院の担当医など、沢山の人が支えてくれました。

亡くなる2日後には次男の発表会を見に行く計画もしていました。

しかし急激に悪化してしまい、きちんとしたお別れを皆に言うことが出来ずに旅立たれました。

日野原重明先生のお言葉です。

「医師も看護師も、共にそのゴールはケアでなくてはならない」

「ターミナルケアでは、患者さんが最後に言葉を残せるようにケアすることが非常に大切です」

1番目のお言葉は、常に全ての患者さんに心掛けていて、この患者さんでも実践していました。

しかし2番目のお言葉は、この患者さんには実践出来ませんでした。

自宅へ飛ばす車の中でそのことが私の頭の中を占めていました。

死亡確認後、非常に重い雰囲気の中で、小学生低学年の長男が泣きながら私に言った言葉です。

「先生が家に来てくれたから、ママは少しだけ長生きが出来た。ありがと。」

訪問開始より52日間ずっと難しい対応が続いたケースでしたが、彼の一言で私は救われました。

そして今回も大活躍してくれた訪問看護師さん達に何よりも感謝です。