院長コラムhead doctor’s blog
追悼 Fさま20.4.13
先日、Fさんを自宅でお看取りさせて頂きました。
がんの末期状態で、病院を退院した初回訪問の時点で厳しい病状でした。
しかし強い意志をお持ちの方で、何事もご自分でお決めになりました。
私は知らなかったのですが、Fさんはある領域でこの道50年のレジェンドと周りから慕われている方でした。
その慕われ方が半端なく、老若男女問わずあらゆる世代から支持されていました。
どんどん病状は悪化していきましたが、どうしてももう1度Fさんの大事な場所を見せてあげたいと思いました。
家族さんとも十分に相談した上で、その大事な場所へ外出することになりました。
普通なら外出などとても無理な状態で、出発の直前に最終的に行くと決めました。
パジャマから愛用の外出着に着替えて、私と訪看さん同伴のもと家族総出でどうにか現場に着きました。
そこにはFさんを尊敬する多くの仲間が待っていました。
(責任者の方に聞くと、コロナ肺炎の関係で参加者をかなり絞ったそうです)
年配の方から子供まで、様々な方がFさんに声を掛けていました。
その光景を見て、私はFさんの生き様を目の当たりにしました。
無事に自宅に戻った時は、疲れていたハズなのに表情はむしろ出発時より良かったくらいです。
そして翌日、静かに旅立たれました。
Fさんへ
私が知らない世界を垣間見せて頂きありがとうございました。
あなたの素晴らしい人徳もよく分かりました。
私がそちらに行ったら、是非乗れるようにご指導下さいませ。
よろしくお願いしますね。