院長コラムhead doctor’s blog
訪問看護のチカラ21.12.26
もの凄く寒いですね。
それが関係あると思うのですが、体調を崩す超高齢の方が続出しています。
先日も超高齢(90代後半)の患者さんが急に痰が増えて呼吸状態が悪くなりました。
ちょうど訪問看護師さんが来る直前だったので、看護師さんが到着後すぐに吸引処置や体位調整などを行ってから私が呼ばれ、すぐに往診しました。
呼吸はとても弱々しく、酸素濃度(SpO2)は70%前後(健康なら95~99%が普通)と極めて悪い状態です。
急変してからまだ1時間程度だったので発熱はありませんでしたが、恐らく肺炎を起こしかけていてこれから発熱もするだろうと予想しました。
家族さんに極めて厳しい状態であることを説明し、必要な治療を開始しました。
私が帰った後も担当の訪問看護師さんは残ってくれて、それからも必死の看護をされました。
家族と面談している間も、看護師さんはご本人の横にいて必要なケアをしているのを私は横目で見ていましたが、とても熱意ある必死の看護ケアでした。
今までにも同じような状況で多くの看護師さんが提供するケアを見てきましたので、そのケアの本気度は見れば分かります。
この患者さんは現在は回復されています。
回復した一番の要因は、酸素投与でもなく、抗生剤でもなく、担当看護師さんの必死のケアでした。
在宅医療というとどうしても在宅医に焦点が当たりがちです。
しかし、私は開業時から常々言っていますが、在宅医療での医師と看護師の役割分担は80%訪問看護師さん・20%在宅医であると実感しています。
極論すれば、在宅医は要所要所でご本人/家族さんへの説明と看護師さんへの指示を行い、両者(患者/家族と訪問看護師)の心の支えになれればほとんどの場合は上手く進んでいきます。
あとは何かあれば必ず24時間365日対応するという控えの立場で良いと私は思っています。
だって医者は、オムツも替えないし、吸引もしないし、清拭や入浴ケアもしないし、点滴も余程緊急な場合しか自分ではしませんよね。
在宅医療で訪問看護師さんがとても重要なことに、反論の余地はないハズです。
件の患者さんも別の訪問看護師さんであれば、すぐに亡くなっていたかもしれません。
年末に改めて訪問看護の素晴らしさを実感させてもらいました。
担当看護師さんに拍手喝采を送ります!
このブログをご覧の方から、仲良し兄弟についてもコメントを頂くことが増えました。
どんなに疲れて帰って来ても、「にゃんにゃ、帰ってきたか。ご飯ちょうだい。遊んでちょうだい。」です。
疲れが一瞬で吹っ飛びますね。
すっかり猫派になった院長です、そのうち猫耳でも付けて訪問するかも・・・。