院長コラムhead doctor’s blog
ザ・平穏死19.3.22
暖かくなったり寒かったり体調管理が難しい時期ですね。
みなさまはいかがお過ごしですか?
最近、97才の方をお看取りさせて頂きました。
特に命に関わる持病はなく、娘さんと2人暮らしで、すぐ近所に住む息子さんも頻繁に様子を見に来られていました。
今年になってから徐々に弱っていき、3月になってからはほとんど食べなくなりました。
本人はいたって穏やかな表情で日々過ごしておられますが、ご家族さんはこのままでいいのかと不安になります。
娘さんに日々の対応方法を説明するとともに、石飛幸三先生の著書をお貸しして「平穏死」について理解を深めて頂きました。
月1回だった私の訪問回数も増やして、訪問看護師さんの回数も増やして、ご本人と家族さんのケアに尽くします。
本当に最期まで穏やかに過ごされ、そしてまさに眠るように静かに息を引き取りました。
決して美化する意図はありませんが、これぞ平穏死のお手本といっていいと思う程の見事な最期でした。
大切な事は、「余計なことは敢えてしない。本当に必要なことだけを行う。」です。
何が余計で、何が必要かは、人や病状によって異なります。
それを判断して1人1人に適した方針を決めて、ご本人/家族さんに説明するのが私たちの役割です。
もうすぐ平成が終わろうとしている時期に、大正生まれの方がまた1人逝かれました。
私にはあとどれくらいの時間が残っているかは、神のみぞ知るです。
だからこそ今すべき私の役割を、しっかりと果たしたいと思います。