院長コラムhead doctor’s blog
医学部で講義23.12.13
「医学部での講義」というクリニック開業以来の私の大きな目標の1つがついに実現しました。
私の予想ではもっと時間が経ってからしかチャンスはないかなと思っていましたが、神﨑先生のご縁で講義の機会を頂戴しました。
和歌山医大医学部の1年生に在宅医療の講義を2時限して欲しいというご依頼で、私と神﨑先生で分担しました。
今年の春まで高校生だったので、当然まだ医学の専門知識も現場経験もないため、在宅医療の紹介を主とした講義内容を神﨑先生と相談しながら準備しました。ご本人/ご家族から公開の許可を頂いた写真や動画を多用し、学生さんに分かりやすくかつインパクトのあるスライドを作成。
講義の一番の目的は、「在宅医療の理解を深める」ですが、私達の中での隠れた目的は「在宅医療に理解のある医師になって下さいね」です。
病院(特に大病院)の医師の中には、在宅医療への理解が低い医師が一定数おられます。そういった医師が主治医の場合、ご本人/ご家族が在宅医療への変更を希望しても叶わないケースが未だに少なからずあります。この現実を変えていくには、そういった先生方への啓蒙も大切ですが、これから医師になる医学生への教育も重要と感じていました。しかし医大と関係ない人間が医学生に講義をするのは簡単ではありませんので、この機会を伺っていました。
1学年100人だそうですが、当日は空席はほとんどなかったと思います。もちろん全員が起きていた訳ではありませんが、結構熱心に聞いてくれていた印象です。サポートしてくれた事務員さんは、「この授業、出席率が高いですよ」とこっそり教えてくれました。
医学部は6年間在学しますが、在宅医の講義は6年間で恐らくこの1回だけなので、在宅医療の現場で私達が医師として何をしているかを丁寧に伝えました。
後日、全員分の講義の感想が送られてきました。いろいろな意見がありましたが、社会人とは違う学生ならではの率直な意見もあり、とても参考になりました。
彼らが医師として最前線で活躍する際、在宅医療に理解のある医師になってくれることを心から願います。