たぶせ在宅クリニック 和歌山市の訪問診療

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院長コラムhead doctor’s blog

若年のがん患者さん18.4.23

在宅医療

季節の変わりは早く、日中の車内はもう暑いですね。

先日、20代の娘さんを胃癌のために自宅で見送ったお母様にお会いする機会がありました。

お二人は兵庫県内にお住まいで、私が在宅医をしたわけではありません。

なので、お母様より気遣いのない本音を聞かせて頂くことが出来ました。

病院で抗がん剤治療を行っていた時のエピソードや抗がん剤終了後の在宅医や訪問看護スタッフの関わり、

兵庫県の経済的な助成制度、母親としての気持ちの変化、そしてお別れ間近の時期のエピソードなどを、

たっぷり2時間も聞かせて頂くことが出来ました。

本当に率直なお話しが聞けて、私にも参考になることがたくさんありました。

若年者の在宅緩和ケアは、高齢者とは違う難しさがあります。

ついつい敬遠してしまう医療者もいると思いますが、私は勤務医時代から積極的に

若年者のがん患者さんにもかかわるようにしています。

私が医師になって主治医として初めて看取りをしたのは、私と同い年の肺がん患者さんでした。

その時は医師1年目で、ご本人とどう接したら全く分からずに、私はただただ上司の横でいるだけ。

勇気を出して独りで病室に行っても、全然話しが続かずに何とも言えない無言の時間だけが過ぎました。

退室後は無力感を思い知らされたことを今でもはっきりと覚えています。

40歳未満の若年者は介護保険が使えず、経済的余裕も少ないことがほとんどです。

兵庫県をはじめ全国の幾つかの自治体では訪問ヘルパー利用への助成制度がありますが、和歌山にはありません。

若年者の在宅緩和ケアに関する問題はお金だけではありませんが、少しでも現状を改善出来るように官民を問わず

何らかの助成制度の創設について検討を重ねています。

40歳未満でも希望すれば在宅で最期まで過ごせるように、お手伝いさせて頂きます。

鯉のぼり

訪問先で久しぶりにこんなに大きな鯉のぼりを見ました。

風になびきながら、気持ち良さそうに空を泳いでいました。