たぶせ在宅クリニック 和歌山市の訪問診療

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院長コラムhead doctor’s blog

能登支援活動 part①24.2.4

その他

1月下旬、3泊4日で能登での医療支援活動に医師会からの支援チーム「JMAT和歌山」として参加してきました。(JMAT:日本医師会災害医療チーム Japan Medical Association Team)

JMATのチーム編成は、医師1名、看護師1~2名、事務員1名が標準的な編成で、私の場合はメンバー探しを自分で行いました。自分のクリニックからは看護師や事務員を出せないので、普段から一緒に仕事をしている訪問看護ステーションに声掛けすると、ありがたい事に5~6人の希望者がおられました。現地での宿泊やトイレ事情を考え今回は男性のみで行くことに決め、看護師2名、理学療法士1名(事務員として登録)と能登へ行くこととなりました。

初日はまずJMAT本部のある石川県庁に出向き、そこで実際にどこに派遣されるかを伝えられると聞いていました。てっきり決まっているものとして県庁へ出向くと、担当者から「石川北部(最前線)」「石川中部(中間地点)」「石川南部(後方支援)」のどこがいいですかと聞かれました。中部や南部の方が楽かなと一瞬思いましたが、それではわざわざ来た意味がないと考え直し「石川北部」を選びました。担当者からは「北部は現地活動自体よりも移動で苦労することを覚悟しておいて下さい」と言われました。

石川県庁のある金沢市から宿泊地の七尾市に移動すると初日は時間切れとなり移動のみで終了。七尾市内の状況は電気は復旧していましたが、水道はまだ断水状態でした。しかし用意されていたビジネスホテルは、部屋の洗面所と大浴場は使用可能でした。その理由は全国チェーンのホテル本社が毎日水を届けているので確保されているとのこと。朝夕には簡単な食事も用意されていたので、大量に持ち込んだインスタント食品は1度も食べませんでした。

2日目は北部方面拠点のある穴水にまず移動でしたが、北部に向かう道は国道1本しかないので大渋滞で35kmの距離を1時間20分かかりました。路面は緊急補修されていますが、それでも凹凸だらけでゆっくり走らないといけません。自衛隊、警察、消防、医療、建築、土木、電気、ありとあらゆる業界の支援関係の車列に地元の方も混じっておられます。

穴水に着くとまずは特養に行くように指示されました。そこには80人の入所者がおられましたが、施設ナースからは1名だけ診て欲しいと言われました。幸い重症ではなく5分で済み時間が余ったので、他の入所者の話し相手や簡単な診察をして穴水の拠点に戻りました。

この時点で、事前に考えていたのと現場の状況はかなり違うことに気付くことになります。        

七尾から穴水へ向かう国道。分かりにくいですが写真右端までずっと渋滞です。