院長コラムhead doctor’s blog
マギーズ東京20.9.18
急に涼しくなり、日々の訪問診療の負担は少し軽くなりましたが、体調管理が難しい季節ですね。
最近新しく担当したがん患者さんの治療経過を見ていて、あることを再認識しました。
それは、がん治療以外のことを相談できる場所と人が和歌山にはほとんどないことです。
私にはその想いがあってがん相談を行っていますが、私1人で出来ることなんてたかだか限られています。
相談対手が医師だとハードルが高いと思う人もいるでしょう。
和歌山でご存知の方は恐らくほとんどいないと思いますが、東京には「マギーズ東京」という施設があります。
ここでは、がんに関するあらゆる相談やレクチャーを受けることが出来ます。
しかも完全無料です。
ここで主任心理療法士をされている栗原さんは、静岡がんセンター時代に一緒に働かせて頂きました。
様々な悩みを抱えておられる患者/家族さんに対する心理療法士としてのアプローチを見学させてもらいました。
和歌山で受けられるがん治療と東京や静岡がんセンターで受けられるがん治療は、一部の領域を除き同じ日本国内なのにあまりにも差があり過ぎます。
和歌山は田舎だから仕方ないと諦めるのは簡単ですが・・・、本当にそれでいいのでしょうか?
せめて在宅医療だけでも全国水準と同等のものを提供するという気持ちで、患者さんから日々学びながら訪問しています。
またがんだけでなく、難病を含む非がん・医療的ケア児・障害者医療などあらゆる分野で、地域で診る/看るということが今後のキーワードになるでしょう。
マギーズ東京はがんだけに特化していますが、がん以外も含むあらゆる疾患の相談場所として、「暮らしの保健室」というものも東京だけでなく全国各地にあります。
将来「マギーズ東京」や「暮らしの保健室」の和歌山版が出来れば良いなあと本気で思っています。
さて、本当にこの和歌山で出来るのでしょうか・・・。
ではなく、どうしたら実現できるのか?という気持ちで構想を練ります。