院長コラムhead doctor’s blog
自宅独居の看取りは21.9.20
かなり涼しくなりましたね。
今年の夏も熱中症にならずに無事に済みました。
今日のテーマは自宅独居の看取りです。
独居の高齢者は増える一方です。
完全に身寄りがおられない方もいれば、遠方にご家族がおられる方もいます。
どういう家族構成であれ、世間には「独居の看取りなんて不可能」と決めつけている人が少なくありません。
しかし本当に独居の看取りは不可能なのでしょうか?
私の意見を先に書くと、幾つかの条件をクリアすれば問題なく可能です。
では幾つかの条件とはなんでしょうか?
①ご本人が自宅で最期を迎えたいと希望していること
②息を引き取っても、最大12時間誰にも発見されないことを、ご本人が了解していること
③自宅に出入りする人間(在宅医療/介護のスタッフ、ご近所さん、友人など)が、ご本人の希望を尊重していること
①は当然ですよね。
②は最大12時間と書きましたが、夜最後の在宅スタッフの訪問から、朝一番の訪問までが最大12時間です。
独居の方の場合、在宅医・訪問看護師・ヘルパーが綿密に訪問予定を組みます。
出来るだけ独りの時間が減るように、皆で協力して分担します。
死期が近づいてくれば、それぞれの訪問回数をmaxにして、こまめに状態観察を行います。
なので、何日間も放置されることはありませんし、いわゆる孤独死には該当しません。
もちろん警察のお世話になることもありません。
死後の葬儀や私財整理、様々な費用の支払いなどをどうするかもケアマネさんも交えて事前に相談します。
借家の場合は、必要性があれば大家さんに事前に一報入れることもあります。
文字で書くと大変そうかもしれませんが、何度か経験するとそう難しいことではありません。
一番困るのは、我々の想定外の人物が来て、ご本人の許可なく勝手に救急車を呼ぶことです。
その可能性があるケースでは、自室の目立つところに「救急車は呼ばずに在宅医に電話を!」と大きく張り紙をすることもあります。
稀ですが突然現れた人物に、まるで恫喝のごとく怒られたこともありますし、散々嫌味を言われたこともあります。
しかしご本人の意思が変わらない限り、その方の理解が得られるように我々は対話するしかありません。
同居人がいるケースで、独居より遥かに難しいことも多いです。
独居の方の看取りは、幾つかの条件をクリアすれば十分可能ですし、今までに何人も担当しています。
在宅医療は百人百通りです。
柔軟な対応力をさらに磨きたいと日々思っています。
相変わらず仲良しの保護猫兄弟です。
喧嘩しているのを一度も見たことがありません。
里親になって4カ月が過ぎましたが、私もすっかり慣れました。
どっぷりと「猫派」になりました~。