院長コラムhead doctor’s blog
真の気持ちを引き出すために20.1.17
在宅医療や看取りをしていると多くの患者さんがおっしゃる言葉があります。
「家族には迷惑を掛けたくない」
「早くお迎えが来て欲しい」
「まだ死にたくない」
「どうして病状が良くならないのか?」etc
月並みな返事はなんの慰めにならない時もあります。
こういう場合に最も相応しくない言葉が、「頑張って」だと私は思っています。
では、どうすればいいのか?
本当に難しいですよね。
1人1人違いますし、また同じ人でもその時の病状や雰囲気でも対応方法が変わります。
そんな時に行うことがあります。
それは、敢えて黙っていて、じっとその次の言葉を待つという方法です。
待っている間、私は言葉の裏に隠された本心は何なのかを考えています。
と同時に、待つ間の私の座る位置/表情/視線、本人との距離、本人の手を握って待つかどうかなど、私の頭の中はフル回転しています。
例えば、
「家族には迷惑を掛けたくない」 ➡ 「でも・・・、本当は家にこのままいたい」
「どうして良くならないのですか」 ➡ 「もう一度〇〇したかった」
いつもこの方法が上手くいく訳ではありませんが、意外にも本心が聞けることもあります。
勤務医の頃は患者さんと無言になったら苦痛でしたが、ある患者さんにこの方法が有用であることを教えて頂きました。
在宅医療・在宅ホスピスケアにおける動と静を上手に使い分けられるようになりたいですね。
先日、久しぶりにライブを聴く機会がありました。
やっぱり生演奏の音楽は素晴らしいですね。
リフレッシュさせて頂きました!