院長コラムhead doctor’s blog
神経内科の在宅医21.12.19
神経難病の在宅医療は、がんや老衰、認知症とは全く異なる独特の世界です。
神﨑先生と一緒に働くようになって半年が過ぎ、それを実感しています。
何が違うかというと、「長い」「様々な制度利用」がキーワードです。
「長い」というのは、発症/診断までも長いですし、その後の症状/機能変化に対して必要なケア/サポートを先を見越して適宜導入することが求められます。またご本人/ご家族が長く病気と向き合っていると家族関係がこじれてしまうことも多く、それらのサポートも必要です。
「様々な制度利用」とは、神経難病には特定療養費、重度心身障害者医療費助成制度、身体障害者手帳など、病名や症状に応じて様々な制度があります。
制度を利用するために、個々の担当する役所への申請や運用管理を行う必要がありますが、かなりの手間がかかります。
これらの関わりには知識と経験が求められ、熟練者と素人では提供出来るサービス内容には雲泥の差があります。
神﨑先生は、いずれ在宅医になることを前提で病院での診断・検査・外来・入院の経験を積み、満を持して在宅へ転身されました。
私は神経内科領域の専門的指導は出来ませんので、週に1回は県外の神経内科専門の在宅クリニックで勤務しながらスキルを磨いています。
身のこなしや診察はクールですが、私に負けない熱い情熱を持って仕事に臨んでいます。
ご本人/ご家族さん、他の職種とのコミュニケーションも上手く、相手に自分の考えを無理に押し付けることもしません。
勉強は僕より遥かに熱心です。(大学は首席クラスで卒業らしいです・・・、私は再試験の常連だったような記憶が・・・)
こんな神﨑先生が就職してくれたので、私としても一人前に育てるという責任と役割があります。
その一環として、神﨑先生にはがん患者さんも担当してもらっています。
がんと神経難病は全く違うと書きましたが、奥底では繋がっている部分もあります。
従ってがんを担当することで神﨑先生の在宅医としての深みが増すと考えています。
もちろん私も神経難病の担当もしていますから、お互いの専門領域を共有することで相乗効果が期待できます。
必ずや近い将来、和歌山の在宅医療をリードする素晴らしい在宅医に成長することでしょう。
私も神﨑先生に負けないように日々励みます。