院長コラムhead doctor’s blog
静岡がんセンター②19.11.13
がんセンターのお話しの続きです。
勤務が始まってからは、それはもう大変な世界でした。
カンファレンスでの専門用語や略語が全く聞いたことがない単語ばかりで、日本語で話しているのに何を言っているのか全然分かりませんでした。
仕事は7時半~18時まででしたが、時間厳守で少しでも遅れることは許されませんでした。
カンファレンスもダラダラするのではなく、端的に要点だけのプレゼンを求められます。
スタッフの先生方は想像を絶するほど激務なのに、人前では「忙しい」とは絶対に言いませんでした。
どんなに忙しい時でも、電話対応や頼まれごとを断らずに引き受けます。
和歌山の田舎から出てきた私には、世界を相手にしている真のプロの姿勢を見せつけられました。
あまりの厳しさに途中でやめるレジデントもいましたが、教授を口説き落とした手前、「負け犬状態」で和歌山に帰る訳にもいかず、とにかく必死で2年間走りきりました。
全く優秀なレジデントではなかったですが、私にとってはお金では買えない貴重な経験と財産を得ました。
そしてこの2年間で自分の立ち位置/役割というものを非常に意識するようになりました。
先日、抗がん剤治療中の患者さんの在宅療養の支援目的で大病院より紹介を頂きました。
その患者さんは抗がん剤の副作用の吐き気/嘔吐でとても苦しまれていました。
病院の主治医先生は複数の制吐剤を出されていましたが、効果は出ていませんでした。
私はがんセンターで学んだ知識を使って、ある薬を処方したところ、一発で吐き気・嘔吐が止まりました。
患者さんはもちろん喜んで下さいましたが、私も静岡で頑張ったことが今でも役立ったことが嬉しかったです。
和歌山市内で醸造している世界初の麹から作る発泡酒だそうで、お店で勧められて頂きました。
あっさりとしたお味で、通常のビールよりも飲みやすかったです。
オリゼーブルーイング