たぶせ在宅クリニック 和歌山市の訪問診療

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院長コラムhead doctor’s blog

追悼 Oさま21.2.23

在宅医療

また更新間隔があいてしまいました、すいません。

以前から書いている通り、私とがん患者さんのお付き合い期間は、平均25日です。

しかし年に2~3人くらい100日を超える方がおられます。

Oさんは70代の男性で、真夏に病院より紹介されてきました。

がんによる腹水が溜まっていて、元気な頃の写真と比べてもかなり痩せておられます。

初回訪問の時点では、残された時間は1か月くらいかなと思っていました。

しばらくして腹水の張りが辛いということで、自宅で腹水を抜きました。

がんの腹水ですから、通常は抜いてもまた溜まることがほとんどです。

しかしOさんは1度抜いた後はなかなか溜まりませんでした。

それどころか食べる量も増えて、それと共に会話も増えました。

Oさんは石橋を叩いても渡らない慎重な性格です。

病状が落ち着いているので、外出や入浴など我々在宅スタッフが様々な提案をしても、ほとんど採用されません。

秋になり車の中からなら紅葉を楽しめる状態でしたが、Oさんは行かずじまいでした。

おしゃべりはお好きだったので、在宅スタッフとの仕事や趣味の話を楽しまれていました。

Oさんはずっと2階でお過ごしで、訪問すると玄関からすぐに2階に上がっていました。

1月2日の訪問時、いつものように玄関開けると、寒い玄関で車いすに座ったOさんが私を待っていました。

全く不意をつかれたので、私はOさんはご存命なのに、ユウレイが出たのかとめちゃめちゃビックリしました。

Oさんは奥様と笑いながら、「正月も休まず来てくれるのだから、1度くらいは玄関で先生をお迎えしようと思って」と。

完全に1本取られました。

しかしその後は急速に病状が悪化し1月中に旅立たれ、O様の担当期間は200日を超えていました。

我々に多くの学びを与えて頂いたO様のご冥福をお祈りします。

ケアマネさんを中心とした多職種向けのオンライン勉強会も継続しています。

次回(第5回)は、3月15日(月)13時~14時、テーマは「関節リウマチの基礎知識」です。

初めての方も是非ご参加下さい。

申し込みはクリニックのメールアドレスまでお願いします。