院長コラムhead doctor’s blog
【解説】 がんの症状経過について18.10.24
秋らしい気候ですね。
車の窓を開けて走ることも多くなりました。
さて、今回はがんの症状経過についてお話し致します。
がんの患者さん、ご家族よりよく聞く言葉に、「急に症状が悪くなった」「安定していたのに、最近あっという間に症状が進んだ」があります。
これは一体どういう事なんでしょうか?
このグラフは、日本人のがん患者さんの各症状の頻度をまとめたデータです。
亡くなる60日前と30日前に縦線を引くとより分かりやすいと思います。
60日前では、約40%で「痛み」を認めますが、そのほかの症状は10%前後です。
これが30日前になると、4人に1人以上に「だるさ」「食欲不振」「痛み」「便秘」「不眠」を認め、この30日間でかなり症状が増えています。
グラフをパッと見ても、60日前(特に45日前)より一気に右肩上がりで各症状が増えるのがお分かりだと思います。
これが、「急に症状が悪くなった」「安定していたのに、最近あっという間に症状が進んだ」ことの正体です。
多くの方はご存知ありませんが、がんとはこういう病気なんです。
残念ながらがんの各症状の出現自体は防ぐことが出来ませんが、各症状の緩和には手を尽くすことは可能です。
当クリニックでは、在宅における症状緩和は当然として、ご本人/ご家族に各症状の原因や対処方法を丁寧に説明させて頂きます。